この時期はちょうど冬野菜から夏野菜に変わる時で、畑に食べられる野菜がない。それでこの辺りの人は春になって出てきた野生のアズパラガスの他に、チコーリアという野草で、タンポポの葉に似た苦い野菜をとって食べている。
春と秋にたくさん生えるのだが、体に良いというので毎日のように食べる人もいる。私もスーパーのビニール袋に4つも5つもとってくる。そして大量に茹でた物を小分けにして、冷凍にしてしまうのだ。こうすると、必要な時に解凍してにんにくとオリーブオイル、塩、ペペロンチーノで炒めてつけあわせの野菜にできるので便利なのだ(レストランでも必ずといっていい程チコーリアの付け合わせがある)。
この葉はちぢれているので泥が多く洗うのが大変で、一連の作業に午前中いっぱいかかったりする。田舎にきて思ったのが、料理をする時間というより肉や野菜をたくさん冷凍する作業や、トマトを保存用に瓶詰めにすること、オリーブの実の瓶詰めなど、あとで楽においしく食べられるようにということに時間を費やしている気がする。
畑の野菜も、出来る時に大量にできて後は来年までない、ということがほとんどなので、たくさん出来た時はオイル漬けや冷凍、干したりという作業が続く。
料理自体はとてもシンプルだが、いつもこういった作業におわれているような気がして、手の込んだ料理を作るのと、保存用に時間を費やすのとどっちが楽かわからなくなってくる。しかし保存用の野菜や瓶詰めのトマトやオリーブができると、「これでもう大丈夫」と何が大丈夫かしらないが安心するのだ。
今日子 |