ウンブリアの名物で、小麦粉と水を練ってつくる太めのパスタがある。まるで讃岐うどんのようなパスタだ。このパスタは乾燥したものを店で売っているが、自分で作ることもできる。
うどんのようにコシが強くて足で踏んだり何時間も寝かせたりしなくてもできるのでお手軽だ。小麦粉と水だけのパスタで家庭でもできるもの、というのは今の乾燥スパゲッティができる前に家庭で普通に食べていたものなのだろう。
イタリアの小麦粉は強力粉、薄力粉というふうに分けてあるのではなく、”0”、”00”となっていて、”0”がピザやパン、パスタ用、”00”が菓子用と書いてある。しかし”0”は日本の強力粉程コシが強くなく、パスタを作る時ゴムのように押しても押しても戻ってくる大変な作業をしなくてよい。
そのくせ茹でるとちゃんとコシがあって噛みごたえのある麺になっていて、いつも不思議だと思う。
それに菓子用の小麦粉をピザや手打ちパスタに使う人もいるので、あまり日本のように厳格な決まりはないのだと思う。
うどんに似ているこのパスタは、トマトソースと一緒に食べたり、ミートソースなどの濃厚なソースに和えてもよく合う。今思えば、小学校の頃給食によくでてきたソフト麺というのは、これをおいしくなくしたものだったのだろうか。
今日子 |