今日は注文しておいた暖炉に使う薪が届いた。10月から4月まで、だいたい300kgくらいは使う。それらをトラックで持って来てもらい、屋根のついている薪置き場の前にドドーーッとおとしてもらう。それを私と夫できれいに積み上げていく(ほとんど夫がやるが)。
新しい薪は水分が多いのでものすごく重い。そのまま燃やそうとしてもぜんぜん燃えないので、今から秋まで、風通しのよいところでよく乾かさなければならない。秋になってから慌てて薪を買ってもちっとも燃えなくて苦労するので、2月頃からどこの家庭でもこの薪を積む作業をする。車で走っていても、薪を積んだトラックがのんびり走っているのをよく見かける。
この辺りは樫の木が多いので、薪の種類は樫の木を使う。樫の木は燃えやすくて薪の質が良いが、値段も他より少し高めだ。300kgで300ユーロくらいだが、寒い冬の暖房代から比べれば安いものだ。値段が安いのは樫の木以外にも他の種類の木をごまかして混ぜてあったりするので、信用のあるところから買わなければならない。
この薪を使って肉を焼くと、薪のよい香りが肉に移ってよりおいしくなる。残った灰も畑にまくと、土にとても良い栄養になるのだ。栗の木の灰は畑に良くないなど、種類によっていろいろかわるらしい。
今でも山に入って行くと木こりが住んでいて、トラクターが入れない所など、馬とロバの間の子のラバが木を背中に積んで働いている。まるでおとぎ話の中に入ったような気分になる。
料理にも防寒にも欠かせない大事な薪を大、中、小に分けてきれいに積んでいく作業は、重労働だが大切な仕事なのである。
今日子 |