昨日の夜、サンマルツァーノのトマト農家に勉強に行っていた日本人の友人が帰って来た。お土産に品種改良していない、サンマルツァーノトマトを持って来てくれた。スローフード協会に入っているその農家は、病気になりやすい、デリケートだけどすばらしくおいしい昔のままのサンマルツァーノを、誰も作らなくなっていたところを復活させた人である。
種はトマトの缶詰で有名なチリオが保存していたそうだ(チリオは最近会社がつぶれ、サッカーのラツィオの会長でもあった社長は捕まったりしている)。
さっそくスパゲッティトマトソースを作ってみた。普通のサンマルツァーノと違って皮も柔らかく、生で食べても味が濃くてすばらしくおいしい。トマトソースはニンニクとオリーブオイルと塩だけで、サッと火を通すだけで煮詰めない。トマトがおいしいと、それだけで信じられないほどおいしくなる。
食べた感想は、やはりこれはトマトの王様だった。これだったらどのトマトよりもおいしいと言われている理由に納得できる。酸味とコクと甘みが混ざって濃厚なソースは、今まで食べたどこのソースよりおいしくて大感激だった。
これだけ市販のサンマルツァーノと差があるのだから、市販のは同じ名前で売ってはならないような気までしてくる。種をもらったので、うちでもこのオリジナルのトマトを育ててみることにする。来年のトマトの収穫が今から楽しみで仕方がない。
今日子 |